2012年08月05日

「ミニ小説」けだるい朝U(後編)

んん?
カーテンのスキマから漏れる朝の光が目に当たる。
え?え?こ?ここはどこ?
わたしは、、わたしは、、、三宅のり子。

見知らぬ部屋。ふかふかのベッド。さらさらのシーツ。
高級感のある壁紙と配置良く飾られた知らない絵画。そこが良いシティホテルだとすぐにわかる。
頭は絶望的にずきずきと痛んでいた。昨晩はいささか痛飲し過ぎたみたいだ。パブで飲んだのは覚えてる。調子に乗ってラスティーネイルなんて注文しなきゃ良かったのだ。少なくとも3軒目の飲み物ではない。
隣では不精ヒゲの中年男が寝ていた。まぁイケメンと言えなくもないか。きっとそこでこの男を拾ったのだろう。わたしが拾いそうな男だ、もしくは拾われたのはわたしなのかもしれない。
シャワーを浴びたいけどこの見知らぬ男を起こすのは面倒だから我慢しようと思う。下手に起きられて朝から求められるのは御免だ。考え過ぎか。
シーツから抜け出すとわたしは何も身につけて居なかった。男も同じ。男のぺニスは小さく、呼吸とともに揺れていてそこからは何の凶暴性も感じ取ることはできなかった。
わたしは自分の下腹部を手で探り確かめてみる。さらさらに乾いている。少しポイントに触れて軽く身体にけだるい電気が走る。そこには小さな余韻があった。どうやら昨晩のそれはそんなに悪くない行為だったようだ。記憶はまるでない。それでもわたしは少し安心することができた。昨晩のわたしのSEXはわたしにとって良いものだったのだ。そう思うと頭痛は少しだけ和らいだ。

わたしはなるべく音を立てないように注意を払いながら衣服を身につけた。

『フルメタルジャケット』(完全装填)

就業まであと1時間。コーヒーを飲もう。
それまでにわたし自身をもっと取り戻さないと。

わたしは外の大して美味しくはない空気を深く吸い込んでいた。 (了)
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posted by 隊長 at 10:28 | Comment(4) | ミニ小説

2012年08月04日

「ミニ小説」けだるい朝U(前編)

飲み過ぎ。ホント飲み過ぎ。飲み過ぎにソルマック、うーん考えただけで気持ち悪いわ、何ももう入んないってば。のり子はよろよろとベッドにたどり着いた。いや、やっとベッドまでたどり着き倒れ込んだという表現が正しい。やっとあの忌ま忌ましいヒールからは解放されたのだ。1週間分のふくらはぎの張りを感じる。

今度はブラジャーが苦しいよ、フロントホックにすれば良かった、タイトスカートが苦しい、ベルトもきついよ。ネックレスが重たい、もう女って何でこんなストレスで全身を覆うような事に命を懸けるのだろう。お願い、だれか脱がしてくれないですか?何なら今夜は裸にひん剥いちゃってよろしくてよ。ふふ。でもわたしは一人暮らし。そんな恋人は居ないし気の利く弟も一緒には住んでいないのだ。
ってなんでここで弟が出てくるの?もうアタマ変になりそう。

でもお化粧だけは落とさないとだめ。お化粧だけは。。
けいすけ〜お姉ちゃん眠たくなっちゃった。。
のり子はゆらゆらと意識の深淵へ落ちていった。     (後編へ続く


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posted by 隊長 at 09:35 | Comment(0) | ミニ小説

2009年10月01日

「けだるい朝」ミニ小説。。

けだるい朝。
目を開けると見たことのない壁紙と不自然な天井。
枕元に有線のスイッチ、左にはマイク付きのテレビ、電子レンジにパチスロ機。
なに?このラブホテルみたいな部屋??
ていうか完全ラブホだし。なんかアタシ下着姿だし。



隣の男は深く寝入っていた。
そうか、昨日こいつと寝たんだった。…のかな?
やっぱシタのかな?全然覚えてない。考えると頭いたいし。
でも状況的には限りなく言い訳ご無用よね。ダーリンあたしまた浮気したかも。
アタシはショーツに手を入れて感触を確かめる。ん?なんとなく…
たぶんシテない、そんな感じする。どっちでもいいんだけどさ。



今のうちに帰ろっと。

でも、ホテル代は誰が払うわけ?私?冗談じゃないわ。
じゃ払ってもらうの?貸しを作るのは嫌だけど借りを作るのはもっと嫌。
なら半分払う?半分っていくらよ。

どうしよっかな。。

って。。

ゴミ箱にゴムの袋入ってんじゃん。やってんじゃん。
でもこいつちゃんとゴム着けたんだ。じゃ、やってないのと同じか…。
携帯を見るとダーリンからの着信とメールの雨あられ。
『あーあ』
今回もうまく切り抜けられるかな。。

アタシはフロントに電話した。「1人出ます…」

かちゃり。

入り口でロックが外れる音が聞こえた。




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posted by 隊長 at 00:00 | ミニ小説

2009年07月09日

to you。。

傘もささずに雨に濡れているあなたを見た。泣いているようにも見えたし、微笑んでいるようにも見えた。雨は昨日の夜から降り続けている。
いつからそこに居るの?誰かを待ってるの?ぼくにはわからない。見知らぬ女性だった。なのになぜぼくの心はこれほどまでにかき乱されるのだろう。まるで自分の姿をレンズを通さないで覗き見ているようにすら感じる。踏み潰された煙草の吸い殻。無機質に転がった空き缶。風で倒れたままの看板。剥がれかけた電信柱のサラ金の張り紙。

『ブラックOK』
それは他人から見た自分。自分から見た他人。

ぼくは無性に君に会いたくなる。

『着信なし』『受信なし』
携帯電話をぼくはポケットにねじ込んだ。

ぼくは無性に君に会いたくなる。

「コワレソウナココロヲツヨクダキシメテクダサイ」




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posted by 隊長 at 00:00 | ミニ小説

2008年12月25日

彼女のスカートの中身。。

「きれい…」
彼女はつぶやいた。
高層ビルの下の白い吐息。ぼくは彼女のくちびるだけを見ていた。イルミネーションなんてどうだって良かった。あの日のぼくは君のスカートの中身の事しか考えていなかったんだ。



「メリークリトリス」

ってコレ毎年言わなきゃダメですかね?
そろそろ言いにくくなってきました。いや普段外でも言っちゃいそうになるんですよ。怖いわ〜メリークリ、、、クリ、、栗、、栗山秀樹みたいな。※隊長栗山秀樹ファン。ネタに使ってスミマセン。

どうも、極細隊長です。
なにが極細だ、俺のチンコは筆ペンか?
筆下ろしは年末までにお願いね(はぁと)みたいな。訳わかんねぇ。

筆ペンと言えば年賀状。
めんどくせー。あーめんどくせー。
俺が中1に書いたラブレターぐらいめんどくせー。もしまだ君の手元に残ってんなら20万円で買いたし。要連絡。(見てねぇよ)

ちゅー訳でまだ手付かずです。ヤルカ…

ところで12月は個人的にギャンブルにまみれた感じです。隊長うちまくりみたいな。世界の個人消費が鈍ってんならまずギャンブル産業を活性化させるか、みたいに。まぁなんと言っても隊長のようなフナムシが一発逆転しようと思ったらギャンブルしかないんですよ。(誰がフナムシやねん)今年は有馬までトコトン打ち込んだる。(アンタ毎年ですやん)



クリスマスだと言うのにロクなニュースがない。
殺したnews。殺されたnews。自らを殺す悲しいnews。戦争。紛争。崩壊。危機。



それでも世界は美しく、それでも人生は本当に素晴らしい。

そしてボクは君のスカートの中ばかりに興味がある。(またか…)

Happy Xmas ! 一風堂:隊長
posted by 隊長 at 00:00 | Comment(19) | TrackBack(0) | ミニ小説